2005年 偉大なシンフォニー

概要
 2005年は、素晴らしい収穫のためにあらゆる条件が整った年です。2004年から05年にかけての冬は、それほど厳しくありませんでした。ぶどうの生育期は気温が高く乾燥していて、6月末からグレート・ヴィンテージを予感させました。7月は初め涼しく乾燥していましたが、その後シャブリを除いて平年どおりに戻りました。8月はよく日が照り、これはヨンヌ県よりもコート・ドールで顕著でした。9月は初めかなり気温が上がりましたが、やがて平常に戻り、軽く雨が降ったあと素晴らしい好天に恵まれました。結果的に、シャブリ地区以外では雨が降ったのは正解でした。

しかしながら、クロ・ド・ヴージョ地区では5月3日に雹を伴う雷雨に見舞われました。それでもぶどう生育の初期での雹は、ぶどうの品質に差し障りはありません。6月24日と7月末にシャブリ地区でも若干の雹が降りましたが、こちらも品質にはそれほど影響はありませんでした。一方、コート・ドールの南部、特にサントネイとシャサーニュ・モンラッシェでは7月17日に強い雹が降り、かなりの影響が出ました。

 ぶどうの病虫害対策は、非常に容易だった年です。白ぶどうについては開花期に若干の結実不良が見られました。ぶどうの衛生状態はどこも素晴らしいものでした。シャブリだけは灰色カビのリスクが高く、またその時期も遅く収量は減りましたが、醸造的には特に影響は見られませんでした。

収穫開始布告日は、コート・ドールのシャルドネ、ピノ・ノワールとも珍しく非常に早い9月12日に設定されました。なお、オート・コート・ド・ボーヌとニュイは9月17日、シャブリも同様でした。この日程はブルゴーニュ最北のシャブリとしては特筆すべきことで、例年より8~10日も早いものでした。ぶどうは素晴らしく、収穫は村ごとや畑ごとのコンディションによって自在に遂行することができました。テクニカル的(アルコール、酸、ポリフェノール)には、タンニンの成熟度と味わいがぶどうの生理学的品質にどんどん向上しました。

シャブリ
美しく淡い、輝くようなイエロー。香りはピュアでシャブリらしさがよく出ています。味わいはふっくらと豊満で、どちらかというとよく熟したアロマがありレモンの砂糖漬けを
感じます。またミネラル感、酸味も充分でバランスに優れた、シャブリとしては良ヴィンテージです。村名シャブリとプルミエ・クリュはのど越しがよくすぐに飲めます。グラン・クリュは3~4年待ったほうがよいでしょう。

コート・ドール、コート・シャロネーズ、マコネの白
金色がかった美しいイエロー。ワインはいずれも均質です。アロマはどちらかといえばよく熟していて、はちみつや炒ったヘーゼルナッツのほか、花より熟した果実が強く出ています。全体的に魅力的なアロマです。酸味は04年よりも穏やかな一方、アルコール度数は平年よりやや高めですが、重いワインという印象は与えません。テロワールのニュアンスがよく現れ、愛好家なら区別しやすいでしょう。アロマの余韻は長く、透明感があり複雑です。今が飲み頃です。

コート・ドールの赤
アペラシオン全体がまさに極上に仕上がりました。色調はルビー色で色がよく出ていますが、03年ほどではありません。若いうちはアロマがストレートで現在はやや大人しい印象がありますが、典型的な赤い小果実が香ります。コート・ド・ボーヌ、コート・ド・ニュイとも、アルコール・酸・タンニンのバランスが取れたストラクチャーはどこも均質で、このバランスのよさがワインを非常にエレガントなものにしています。タンニンはよく熟し洗練されていて渋さを感じさせずに爽やかな清涼感とよく結びついています。アルコール度数は平年並みです。ショレイ・レ・ボーヌなどそれほど知名度の高くない村は、果実感でワインラバーを虜にするでしょう。プルミエ・クリュとグラン・クリュは数ヶ月前から閉じていますが、ストラクチャーはブーケとアロマに勝りつつあります。今開けるにはもったいないワインです。グラン・クリュの長熟性は数十年に及ぶことは間違いありませんが、そこまで待たずとも美味しくいただけます。

05年は過去のヴィンテージと似た特徴を備えています。90年のリッチ、89年のハーモニー、61年のブーケなどがよい例でしょう。